主な福祉サービス

① 身体障害者手帳の取得
② 障害児に関する福祉手当
③ バギーの作成
④ 吸引器、おむつの給付
⑤ 特殊寝台、特殊マットの給付
⑥ 家の改造、ワゴン車の購入
⑦ ホームヘルプサービス、移動支援、日中一時支援、児童デイサービス


① 障害者手帳
身障者手帳を取得すれば、日常生活用具の補助、税金の控除、乗車賃の減額などの優遇が受けられる。身障者手帳は、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部機能障害などに分類されるが、NICU出身の重症児は「肢体不自由」で申請することが多い。肢体不自由者の身障者手帳の取得条件として元来3歳以上という制約があったが、近年、1歳以上で取得できる地域が増えてきている。指欠損などの分かりやすい先天奇形がある場合は、早期から取得できる。身障者手帳を取得するためには、資格のある医師が意見書を書き、家族が申請書を書いて、地域の市町村の障害福祉課へ提出する。資格のある医師が身近にいない場合は、リハビリ科の専門医に依頼する。その取得には、申請から1-2ヶ月を要することが多い。
療育手帳は、児童相談所で精神遅滞と判定されることで取得する。児童発達支援センターへの通園には、身障者手帳よりも療育手帳のほうが必要になることがある。

② 障害者に関する福祉手当
重症心身障害児に関する福祉手当としては、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、在宅重度心身障害児扶助費、身体障害者通院通所等交通費助成、障害者福祉施設通所費助成、住宅改修費の助成、自動車改造費の助成など。地域の障害福祉課に訪ねたほうが良い。


③ バギーカーの作成
退院した後に病院や専門施設へ通うためには、移動手段が必要になる。市販のベビーカーが利用できれば良いが、人工呼吸器を搭載する場合や体の変形が著明な場合は、児の状況に合わせた特注のバギーカー(座位保持装置、もしくは車椅子)を作成したほうがよい。小児慢性特定疾患認定もしくは身障者手帳を取得できたら、生活用具給付事業によってバギーカー作成に対して助成が出る。バギーの価格が予算額を超えると助成金が全く出なくなる市町村があるため、注意すべし。そのため、バギーカー作成の前に障害福祉課に相談したほうが良い。


④ ネブライザー(吸入器)、電気式たん吸引器、おむつの給付
痰の多い児では、ネブライザーや吸引器が必要になる。意見書に主治医がそれらの生活用具の必要性を記載すれば、これらの購入には日常生活用具給付事業による助成が出る。また、おむつ給付を申請すれば、月に一定額分のおむつを現物で給付してもらえる。ただ、年齢制限などがあるため、障害福祉課とよく相談する必要がある。


⑤ 特殊寝台、特殊マットの給付
褥創のできやすい児の場合は、身障者手帳もしくは小児慢性特定疾患における日常生活用具給付事業により、特殊寝台や特殊マットを補助してもらえる。しかしこの場合も、年齢制限などにより助成金が下りないことがあるため、障害福祉課と相談する必要がある。


⑥ 住宅の改造、ワゴン車の購入
障害児を自宅に迎え入れるためには、家の段差の解消や玄関の拡張などの改造が必要になるかも知れない。また、バギーを載せて移動するためには、ワゴン車などの大きなサイズの車を購入する必要も出てくる。住宅の改造に関しては、市町村の「住宅設備改善費の給付事業」により、補助が出る可能性がある。また、ワゴン車の購入に関しては、「障害者自動車購入資金の貸与事業」により、通院に必要な車の購入資金の貸与を受けることができる可能性がある。詳細は、市町村の障害福祉課に問い合わせること。


⑦ ホームヘルプサービス、日中一時支援、移動支援、デイサービス
心身障害児のホームヘルプサービス事業では、自宅にホームヘルパーが出向いて障害児の入浴、食事などの日常生活の介護などを行なう。
日中一時支援は、障害児の方の日中における活動の場を確保し、障害児を日常的に介護している家族の一時的な休息のために行われる。
移動支援事業では、移動に際しての支援を受けることができるが、タクシー代の給付やヘルパーの派遣など市町村によってサービスの内容が異なる。
児童デイサービスでは、心身障害児通園施設へ通うことで発達を支援するサービスである。
福祉制度の詳細に関しては、下記のホームページにアクセスするのが良い。

(1) 厚生労働省 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/index.html
障害者福祉サービスの国家としての基本ラインがここに書かれている。
しかしこれ以上の細かい内容は地域により異なる。

(2) 独立行政法人「福祉医療機構」による総合情報サイト「WAM-NET」
http://www.wam.go.jp/
ここから福祉・医療のリアルタイムの情報を得ることができる。

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